あの人のミスだと思っていた。 最初は、たぶん本当にそう見えたと思います。 納品前の確認漏れ。 お客様への連絡の遅れ。 前にも伝えたはずの手順ミス。 管理職がため息をついて、 「また同じことが起きました」 と報告に来る。 社長も、内心では思うわけです。 何回言えば分かるんだろう。 もう少し責任感を持ってほしい。 確認するだけなのに、なぜできないんだろう。 こういう時、人に目が向くのは自然です。 誰がやったのか。 誰の確認が漏れたのか。 誰が止められなかったのか。 中小企業は人数が少ないから、なおさらです。...
【現場の不満を、会社が変わる材料にできる人】
「現場から不満が出ています」 この言葉を聞いた瞬間、少し身構える社長は多いと思います。 またか。 また人が足りないって話か。 また忙しいって話か。 また会社の方針に納得していないのか。 そう感じてしまう日もありますよね。 管理職も同じです。 現場から不満を聞くたびに、全部を受け止めていたら身が持たない。 正直、「それはただの愚痴じゃないか」と思うこともある。 でも、ここで雑に扱うと、会社の大事な情報を捨てることがあります。 現場の不満には、二種類あります。 一つは、本当にただの感情です。 疲れている。 言いたいだけ。...
【会社を強くする人は、自分の成果より“再現性”を見る】
成果を出した人が、会議で少しだけ困った顔をすることがあります。 「どうやってうまくいったの?」 そう聞かれた時です。 本人としては、ちゃんと頑張った。 お客様にも何度も連絡した。 資料も作り込んだ。 相手の反応を見ながら、言葉も変えた。 でも、いざ説明しようとすると、うまく言葉にならない。 「まあ、相手に合わせてというか」 「タイミングが良かったのもあります」 「今回は、たまたま刺さりました」 こういう返事になる。 もちろん、それが悪いわけではありません。 現場の仕事には、感覚もあります。 相手との相性もある。...
【できる人は、自分がいなくても回る形を残していく】
仕事ができる人には、ある共通点があります。 気づくのが早い。 動くのが早い。 相手が言う前に、だいたい先回りできる。 誰かが困っていたら、すぐに拾う。 資料に抜けがあれば、黙って直す。 お客様の反応が少し悪ければ、すぐフォローする。 周りから見れば、ありがたい存在です。 社長なら頼もしい。 管理職なら現場が助かる。 幹部なら、会社が安定する。 でも、怖いのはここからです。 その人がいることで、仕事は回る。 その人がいることで、問題は表に出ない。 その人がいることで、みんなが少しずつ考えなくなる。...
【「手放す勇気」で、組織は自走する】
「社長、ちょっと見てもらっていいですか?」 この一言に、すぐ反応できる社長は多いです。 現場のことが気になる。 お客様のことも気になる。 品質も落としたくない。 社員が困っているなら、助けたい。 だから、つい見に行く。 資料を開く。 やり取りを確認する。 「ここはこうした方がいいね」と伝える。 ついでに、別の気になるところも直す。 社員は助かります。 その場の仕事も早く進みます。 お客様にも迷惑がかからない。 でも、そのあと少しだけ空気が変わることがあります。 次も、社長に見てもらってから出そう。...
【部下をコントロールする管理職から、未来に「任せる」経営者へ】
「任せたはずなのに、結局自分で見ている」 そういうこと、ありませんか。 最初はちゃんと任せるつもりだった。 「今回はあなたにお願いするね」と言った。 相手も「分かりました」と受け取った。 でも、途中で気になってくる。 進んでいるかな。 変な方向に行っていないかな。 お客様に失礼なことをしていないかな。 期限、ちゃんと間に合うかな。 気づけば、チャットを開いている。 「今どんな感じ?」と聞いている。 送られてきた途中経過を見て、少し不安になる。 結局、細かく口を出す。 そして最後には、自分で直している。...
【すべてを推進力に変える「電圧コントロール」の技術】
中間管理職って、損な役回りに見えることがあります。 上からは、 「もっと現場を動かして」 「数字を見て」 「ちゃんと育てて」 と言われる。 現場からは、 「また上が勝手に決めたんですか」 「それ、今やるんですか」 「こっちの状況も分かってください」 と言われる。 どちらの言い分も分かる。 分かるからこそ、疲れる。 社長の焦りも見えている。 現場の限界も見えている。 どちらにも嘘はない。 だから間に立つ人ほど、言葉を飲み込む日が増えていきます。 会議では上の方針にうなずく。 現場に戻ると、少し言い方をやわらげて伝える。...
【役割のパズルを組み替えるだけで、会社は再び加速する】
「そろそろ人を増やさないと無理ですね」 忙しい会社では、わりと自然に出てくる言葉です。 現場が回っていない。 返信が遅れている。 納品も詰まっている。 社長も管理職も、ずっと何かに追われている。 そうなると、原因は人手不足に見えます。 もう一人いれば楽になる。 誰か入れば、現場が回る。 採用すれば、この苦しさは抜けられる。 そう思いたくなる気持ちは、すごく分かります。 実際に、人が足りない場面もあります。 一人で三人分を抱えているような状態なら、増員は必要です。 でも、中小企業ではよくあるんです。...
【目の前の仕事を、会社の流れで見られる人が伸びる】
「これ、私の仕事ですか?」 その一言が出た瞬間、少しだけ空気が止まることがあります。 言った本人に悪気はないんです。 むしろ、自分の役割をはっきりさせたいだけかもしれない。 余計な仕事を抱えたくない。 責任の範囲を曖昧にしたくない。 それはそれで、すごく大事な感覚です。 でも、会社の中には、 線を引きすぎると見えなくなるものがあります。 たとえば、お客様からの問い合わせが来ている。 担当は別の人。 自分は直接関係ない。 でも、その返信が遅れれば、お客様の温度は下がる。 その温度の低下は、次の提案にも響く。...








