組織が崩れるときって、だいたい大事件が起きたように見える。
離職が出た、クレームが増えた、現場が荒れた、売上が落ちた。
でもね、原因を掘ると、めちゃくちゃ地味なところに行き着きます。
「自分は例外」
この一言。
これ、傲慢の中でも一番タチが悪い。
なぜか。
本人が“合理的な判断をしているつもり”だから。
でも実態は、ルールを壊してるだけです。
ルールって、何のためにあるか。
現場を守るため。
判断を減らすため。
例外を処理しないため。
要するに、会社の摩擦を減らすためにあります。
ところが、社長が例外を作り始める。
「今回は特別」
「この人だけは」
「緊急だから」
「俺が決めたからいい」
これ、気持ちは分かる。
目の前の売上、関係性、スピード、色々ある。
でもね、ここから組織は静かに壊れていく。
なぜなら、現場が学習するからです。
社長がルールを曲げた瞬間、現場はこう思う。
「あ、ルールって状況で変わるんだ」
「結局、社長の気分なんだ」
「守っても意味ないんだ」
そして、守らなくなる。
ここで勘違いしないでほしい。
現場が怠けたわけじゃない。
“守る価値”が消えたから守らなくなるんです。
ルールを守るって、コストがかかります。
確認する、記録する、手順を踏む、時間がかかる。
それでも守るのは、守った方が得だから。
守らないと損だから。
でも社長が例外を作ると、損得が逆転する。
守った人が損をする。
守らなかった人が得をする。
この瞬間、真面目な人から壊れます。
「私だけバカみたいじゃん」ってなるから。
そしてもう一個。
例外が増えると、運用コストが爆増します。
ルールが一本なら簡単。
でも例外が増えると、現場は判断ゲームになる。
「このケースはどっちだっけ?」
「社長に確認した方がいい?」
「前回はOKだったけど今回は?」
この“迷い”が、仕事を遅くします。
迷いが増えると、確認が増える。
確認が増えると、社長が忙しくなる。
社長が忙しくなると、また例外で捌く。
はい、負のループ。
社長が一番しんどくなる構造を、自分で作ってるんですよね。
ここで大事な視点。
組織って、ルールで動いてるようで、
実は**「一貫性」**で動いてます。
一貫性がある会社は強い。
たとえ厳しくても、人は納得する。
「そういう会社だ」と腹が決まる。
だから踏ん張れる。
一貫性がない会社は弱い。
優しく見えても、人は不安になる。
「いつ地雷を踏むか分からない」
「結局、誰が得するのか分からない」
こうなると、心が離れる。
離職って、給料だけでは起きない。
一貫性の欠如で起きます。
尊重されてないと感じた瞬間に起きます。
“正しさ”が揺れた瞬間に起きます。
じゃあ、どうすればいいか。
答えはシンプルです。
社長が、例外を作らないこと。
と言うと、「現実はそう綺麗じゃない」って思うでしょ。
分かる。現実は例外だらけ。
だから、こうする。
例外をゼロにしろじゃない。
「例外のルールを作れ」です。
「例外はこの条件のときだけ」
「例外を出すときは、必ず理由を言語化する」
「例外を出したら、次からの標準に落とすかどうかを決める」
「例外が3回出たら、それはルールの欠陥として改定する」
これを決める。
これができる社長は強い。
なぜなら、例外を“運用”に戻せるから。
そして、もう一つだけ。
社長が例外を作る最大の理由は、実は「都合」です。
早く売りたい。揉めたくない。嫌われたくない。
その気持ちが、例外を生む。
でもその都合を優先すると、長期で損します。
信頼が落ちる。運用が崩れる。現場が疲れる。離職が出る。
結果、社長が一番困る。
だから最後に質問です。
あなたが最近、例外にしたことは何ですか?
それは、本当に例外にする価値がありましたか?
それとも、目先の都合でルールを壊しましたか?
ルールを守る社長の下で、人は育つ。
ルールを曲げる社長の下で、人は冷める。
きれいごとじゃなく、構造です。
世の中の非常識は、華僑の常識。
華僑Jでした。