組織がうまく回らない時って、誰かを悪者にしたくなるんですよね。
現場が動かない。
管理職が頼りない。
社長がわかってくれない。
でも、そこで人間性のせいにすると、だいたい長引くんです。
結局、論点が散るからなんですよ。
私がいちばん多いと思う原因は、能力じゃなくて「電圧差」なんです。
社長は学ぶ時間を持てる。
情報を取り続ける。
視座が上がる。
だから意思決定が速くなる。
ただ、その速さは現場の速さじゃないんですよね。
現場は手を動かしている。
今日の締切がある。
目の前の顧客がいる。
その中で判断している。
ここを「遅い」で片づけると、壊れるんです。
社長は高圧のまま流し込む。
現場は焼ける。
現場は防御する。
社長は苛立つ。
そして関係が冷える。
逆に現場が社長を「現実知らない」で片づけても、同じなんですよ。
社長はさらに強くなるしかなくなる。
強さで押すしかなくなる。
その瞬間、応援が消えるんです。
だから必要なのは、電圧を整える仕組みなんですよね。
ここで大事になるのが、中間管理職なんです。
中間管理職は変圧器である。
変圧器って、ただ板挟みになる装置じゃないんですよ。
高圧を、現場が扱える電圧に変える。
現場の声を、社長が理解できる言語に変える。
この翻訳があるだけで、組織は急に静かになります。
社長の言葉って、間違っているわけじゃないんです。
ただ、抽象度が高い。
「もっと品質を上げよう」
「もっと価値を出そう」
それを受け取った現場は、何から直すのかが分からない。
だから現場は、スキルとツールに逃げるんですよね。
新しい施策。
新しい制度。
新しいツール。
でも土台の解釈が揃っていないから、全部がバラバラに刺さる。
中間管理職が強い組織は、ここを一回止めるんです。
社長の意図を「現場の行動」に落とす。
現場の混乱を「社長の判断材料」に上げる。
この往復が回り始めると、責める必要がなくなるんですよ。
ここで一つ、あなたに伝えたい感覚があるんです。
社長は道と法で戦う。
現場は術と器で戦う。
役割が違うんです。
社長が術と器に入りすぎると、社長が忙しくなるだけなんですよね。
現場の術と器が弱いと、現場が疲れるだけなんです。
中間管理職は、その両方をかじらないといけない。
だから大変なんですよ。
ただ、ここに価値があるんです。
術と器だけで勝負していた人が、道と法に触れ始める。
普遍に近づく。
新しいツールが出ても揺れにくくなる。
だから本当は、中間管理職は「罰ゲーム」じゃないんですよね。
もう一つ。
社長が道を語る時に、現場が「綺麗事」と感じる瞬間があります。
それは現場が冷たいからじゃない。
道が、現場の生活に接続されていないだけなんです。
だから私は、道を語るなら必ず「距離」を見せたいんですよ。
あなたの仕事が、どこへ繋がっているか。
あなたの判断が、誰の笑顔に繋がっているか。
一番遠い場所まで線を引く。
線が引けると、仕事は他人事じゃなくなるんです。
組織って、理念や制度より先に「接続」で変わるんですよね。
接続ができると、同じ言葉が同じ意味になる。
同じ意味になると、判断が揃う。
判断が揃うと、速度が出る。
あなたが今、組織のことで苦しいなら。
誰が悪いかを探す前に、電圧差を疑ってほしいんです。
社長が高すぎるのか。
現場が低すぎるのか。
それとも変圧器が弱っているのか。
そして今日、できることは小さいんですよ。
一つの指示を、現場の行動まで翻訳する。
一つの不満を、社長が判断できる材料に翻訳する。
この一往復だけで、空気が変わることがあるんです。
組織は、気合で揃わないんですよね。
電圧が揃った時に、勝手に流れ出すんです。
世の中の非常識は、華僑の常識。
華僑Jでした。