これが採用に潜む、最も恐ろしい現実です。
履歴書は完璧、面接の受け答えもスマート、そしてスキルも申し分ありません。
経営者や人事から見ても「即戦力だ」「間違いなく優秀だ」と太鼓判を押したくなるでしょう。

だが入社して数ヶ月が経つと、その仮面の裏に潜む“有害な社員”の本性が姿を現します。

表向きは成果を出しているように見えても、仲間のモチベーションを削ぎ、信頼を侵食し、組織を内部から腐らせていきます。

経営を崩すのは無能ではありません。“優秀に見える毒”なのです。

ある研究でも示されているのは、優秀な人を一人採るよりも、有害な人を一人入れない方が、業績に2倍のプラスをもたらすということです。
つまり経営者にとって最初の戦いは、“採用で勝つこと”ではなく“採用で負けないこと”です。

一見優秀に見える人ほど危ういです。
なぜなら彼らは、自分をよく見せる術に長けているからです。
光り輝く印象に目を奪われた瞬間、経営者は判断を誤り、その人材を入れた時点で、組織の腐食は静かに始まります。

そして何が起きるかと言うと、本当に優秀で真面目な社員から辞めていくのです。
「自分がここにいても意味がない」と見切りをつけるのは、実は最も貢献していた人材からなのです。

会社を強くするのは、何を足すかではありません。
何を入れないかです。

勝ち筋を探す前に、負け筋を断ち切れるか。
この一点を誤った瞬間に、組織の未来は大きく狂っていくでしょう。

もう「優秀そうに見えるから」という幻想で採用するのはやめましょう。
必要なのは、光に目を奪われず、その人の本質を見抜く目です。

会社の未来は、“加えた光”で強くなるのではありません。
避けた闇こそが、未来を守る盾になるのです。

世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jでした。