世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jです。

長い説明は、動きを遅くします。
短い一言は、体を前に出します。
チームが迷うのは、言葉が長いから。
だから「合言葉」を作ります。

合言葉は、意味と場面までセットにします。
ただのスローガンではなく、合図。
聞けば、すぐ動きが決まる一言。

まずは三つだけ決めましょう。
増やしすぎないのがコツです。
三つあれば、十分に速くなります。

例を置きます。
「二択で」…AかBで決める。保留は作らない。
「30分着地」…会議は30分で終える。最後の5分は決定。
「10→3」…十個から三つに絞る。朝の迷いを消す。
「三行で送る」…決めたこと/やる人/いつまで。
「前日提出」…締切の一日前に出す。余白で整える。
「作る時間」…通知を切って、手だけ動かす30分。

朝は1分だけ読み合わせます。
「今日は『二択で』『30分着地』『三行で送る』」
声に出すと、全員のリズムがそろいます。

会議では、最初に宣言します。
「本件は二択で。30分着地」
途中で話が広がったら、一言で戻す。
「いまは二択。どっち?」
最後は「三行で送る」で締める。
決めたこと、誰が、いつまで。以上。

チャットは、合言葉だけで通じる形にします。
「この案件、二択で」
「午後は作る時間」
「見えたら三行で返答」
短い往復は、誤解も少ない。

新人には小さなカードを配ります。
片面は合言葉、もう片面は意味と場面。
壁にも貼る。
迷ったら、指でなぞるだけで戻れます。

振り返りは一言で十分です。
「今日の合言葉、効いた?」
効いたなら残す。
効かなければ言い換える。
言葉は道具。使いながら磨きます。

注意点を三つ。
一つ、三つ以上を同時に使わない。
二つ、言い方は短く、やさしく。
三つ、誰でも同じ動きになるよう、意味をそろえる。
合言葉は仲間を急かすためではなく、迷いを減らすためにあります。

実際のやり取りを一つ。
「本件、二択で」
「A=新デザイン、B=現行。30分着地」
「了解、Aを仮採用。三行で共有する」
これだけで、午後が軽くなります。

短い言葉は、呼吸をそろえます。
声がそろうと、足もそろう。
速度は、そこから生まれます。