マネジメントがうまくいかない時って、制度が足りないように見えるんですよね。
評価制度がないから。
理念が弱いから。
研修が足りないから。
でも本当は、もっと手前で詰まっていることが多いんです。
「何を大切にして、何を大切にしないか」が揃っていない。
ただそれだけで、現場は毎日迷うんですよ。
企業理念って、掲げた瞬間に良くなるものじゃないんです。
綺麗に印刷したパンフレットでもない。
あなたがドヤ顔で見せるための飾りでもない。
理念は、判断基準の集合体なんですよね。
道はOSである。
OSが揃っていないのに、アプリだけ増やすとバグるんです。
現場で起きている混乱って、だいたいそれなんですよ。
言ってることが違う。
判断が違う。
正解が部署ごとに違う。
だから同じ出来事でも、全員が別の方向へ引っ張る。
例えば、あなたに聞きたいんです。
お客さんの利益と、従業員の利益がぶつかった時。
あなたはどっちを守るんですか。
ここ、答えが曖昧なままだと地獄なんですよね。
現場は「お客さん最優先」と空気で動く。
管理側は「組織のルール最優先」で締める。
営業は売上を取りに行く。
現場は疲れる。
中間管理職は板挟みになる。
結局、誰かが悪者になって終わるんです。
私は、この問いの答えは「従業員」だと思っているんですよ。
耳が痛い人もいる。
私も昔は違ったから。
お客さんを喜ばせれば正義だと思って、従業員を厳しくしすぎたことがあるんです。
短期の数字は伸びる。
ただ、チームとしての成長が止まるんですよね。
応援する空気が消える。
残るのは消耗だけ。
逆に、従業員を守ると決めると、判断が揃うんです。
もちろんお客さんを雑に扱う話じゃない。
ただ、無理な要求に対して「それはできない」と言える強さが生まれる。
その強さが、長期ではお客さんの信頼にも変わっていくんですよ。
ただ、ここで大事なのは「あなたがそう思っている」じゃ足りないんです。
従業員が同じように理解しているか。
もっと言うと、腹落ちしているか。
理念を見た時に「綺麗事だな」と思われているなら、道が伝わっていないんですよね。
「大事だな」と思われているなら、道が届いている。
届いていない時に、制度を増やすとどうなるか。
説明できないルールが増えるだけなんです。
守られない。
例外が増える。
文句が出る。
そしてあなたは「なんで言うことを聞かないんだ」と思う。
でも、前提が揃っていないんですよ。
結局、組織は能力で割れないんです。
基準で割れるんですよね。
だから私は、理念を作るより先に、理念を「使う」ことを大事にしたいんです。
迷った時に戻る場所として。
揉めた時に整える言葉として。
決める時に捨てるためのルールとして。
あなたの会社でも、あなたのチームでも。
小さくていいんです。
まず一つだけ、衝突しやすい場面を選んで。
その時の優先順位を言語化してみてください。
そこが揃うと、不思議と会議が短くなるんですよ。
現場の判断が速くなるんですよ。
それが、理念が生きている状態なんです。
世の中の非常識は、華僑の常識。
華僑Jでした。