家が静かになったら、机に紙を一枚。
ペンを置き、タイマーを10分に合わせます。
ここから先は、明日の自分を助ける小さな会議です。
最初の2分は、今日を一行で振り返る。
「広告の写真が効いた」
「返信が遅れた」
感想ではなく、事実だけを書く。
事実が並ぶと、次の一手が見えます。
次の3分で、明日の三手を決める。
小さく、具体的に、すぐ着手できる形に。
「タイトル案を3つ」
「9時に1本送る」
「在庫を10だけ数える」
数字が入ると、体が前に出ます。
決めたら、順番をつける。
一番目は“最小の行動”。
いきなり山頂を狙わない。
一歩目が軽いほど、二歩目は勝手に続きます。
次の3分で、物をそろえる。
ノート、資料、充電済みのパソコン。
必要なファイルはフォルダの一番上へ。
カバンは玄関、傘はドアの横。
服は椅子の背にかけておく。
朝の障害物を、夜のうちに全部どかします。
予定が崩れそうなら、代わりの道を一行で。
「移動はオンライン」
「11時に順延、先に原稿」
プランBがあるだけで、心は静かになります。
最後の2分で、机を空にする。
紙は一枚だけ残す。
灯りを落とし、画面を閉じる。
寝る時刻を決め、アラームは一本に絞る。
眠る準備も、作戦のうちです。
ここまでで10分。
やったことは大きくありません。
けれど、明日の迷いはほとんど消えています。
朝は走るだけ。
走り出しが軽い日は、判断もやさしく、速い。
コツを三つだけ覚えてください。
一つ、書くのは“事実”と“次の一手”。
二つ、三手は増やさない。増えると重くなる。
三つ、毎晩同じ順番でやる。体が合図を覚えます。
習慣になるまで、見える場所にチェック欄を。
□ 今日の一行振り返り
□ 明日の三手
□ 物をそろえる
□ 机を空にする
チェックが埋まるたびに、明日の自分が軽くなります。
続けていると、変化は目に見えます。
朝の手が早くなる。
連絡が前倒しになる。
小さなズレがその日のうちに直る。
一日が“押される”のではなく、“押していく”側に変わります。