社員をすぐ切る経営者と、愛情を注ぎ続ける経営者。
どちらが正しいか。
実は、この二択の議論自体が、本質を外しています。
まず理解すべきは、経営者には「幸せにできる人」と「幸せにできない人」がいるという事実です。
どれだけ面倒を見ても、時間やお金を投じても、経営者が用意できる環境と社員の望む未来がかみ合わないことはあります。
このズレは、努力や愛情では埋まりません。
「すぐ切る経営者」は、このズレを早く見抜き、組織の未来を守るために決断します。
冷たく映りますが、本人にとっても早く次の環境に進めるという意味では一種の優しさです。
時間は有限であり、相性の悪い関係を長く続けることは、双方の時間を奪う行為だからです。
一方で「最後まで愛情を注ぐ経営者」は、相手を変えようと粘ります。
奇跡的に成長しフィットする社員もいますが、その確率は高くありません。
しかも、その時間とリソースが他のメンバーへの投資を減らすリスクを伴います。
つまり正解は「切るか・抱えるか」ではありません。
「この人は自分が幸せにできる人か」を経営者がいかに早く見極めるかの問題です。
幸せにできない人を抱え続けることは、残った社員の成長機会を奪い、組織全体を停滞させます。
逆に、幸せにできる人を早く見抜き、その人に集中してリソースを注げば、組織は一気に加速するでしょう。
経営とは「全員を幸せにする」ことではありません。
「幸せにできる人を全力で幸せにする」ことです。
その覚悟を持った経営者だけが、組織を進化させ続けられます。
もう“全員を救う幻想”に縛られるのはやめましょう。
経営の正解は、“全員”ではありません。“選んだ人”を幸せにし続ける覚悟です。
世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jでした。