世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jです。
列に並ぶ。
電車を待つ。
呼び出しを待つ。
小さな待ち時間が、一日に何度もやって来ます。
ここを“宝の時間”に変えると、日が軽くなります。
まず、待ち時間の仕事を決めておきます。
思いつきでは続きません。
ポケットに入る仕事を、あらかじめ用意するのです。
名前は「30秒タスク」。
メモアプリの一番上に、ひとつのリストを作ります。
1行に1タスク。
終わったら消す。
追加はいつでもOK。
中身はこうです。
・見出しを1本だけ考える
・明日の三手を1行で決める
・写真を1枚だけ選ぶ
・未読メールの件名だけ仕分け
・次の面談の質問を1つ作る
・机の写真を見て、片づけの指示を1行
・買い出しメモを3つ更新
どれも“いまここ”で完結するものにします。
待ち時間は、観察にも向いています。
通りの人はどこで足を止めるか。
店先の看板は何が読まれているか。
電車内で視線はどこに集まるか。
気づきを1行でメモ。
現場の一行は、会議の十行より強い。
スマホの設定も味方にします。
通知はオフのまま。
開くのは「30秒タスク」だけ。
迷い道に入らないためのガードレールです。
待ち時間のルールは、三つだけ。
一つ、深掘りしない。
二つ、道具を使いすぎない。
三つ、成果をどこかに“見える化”する。
たとえば、完了ごとに✅をつけてスクショ。
週末に見返すと、思ったより積み上がっています。
長い待ち時間が来たら、層を一段上げます。
「3分タスク」に切り替える。
・LPの一段だけ直す文章を考える
・次の投稿の導入を3文
・資料の図を紙にラフで描く
ここまでやって“骨”を置いておくと、後の作業が速い。
家族やチームの時間も、宝に変えられます。
子どもを迎えに行く列で、翌朝の弁当メモ。
打合せ前の5分で、相手の過去メモを読み返す。
「待つ人」から「整える人」へ。
役割が変わると、同じ時間の価値が変わります。
注意点を三つ。
やり残しは持ち越さない(未完は“本作業リスト”に移す)。
歩きスマホはしない(立ち止まる場所でだけ)。
心がせわしない日は、深呼吸だけにする(休むのも仕事)。
実際のやり取りを一つ。
「10分遅延です」
「了解。『30秒タスク』で見出しを3本作る」
「できた。乗車したら“明日の三手”を1行」
到着する頃には、日が半歩進んでいます。
待つことは、失うことではありません。
整えること、拾うこと、温めること。
小さな待ち時間が、静かな前進に変わります。