リーダーが一番得をした瞬間、組織は静かに崩壊を始めます。
「この人だけが得をしている」と思われたとき、部下の心は音もなく離れていくものです。
組織の怖さは、爆発的な不満ではなく、静かに忍び寄る無関心にあります。
人は給料や待遇だけで動いているのではありません。
もっと深い部分で「この人のために動きたい」と思えるかどうかでしか、組織は本当には回りません。
その感情を失った瞬間、社員は指示されたことしかやらなくなります。
主体性が消え、創造性が止まり、組織は形だけの箱と化していくでしょう。
三流のリーダーは、部下の成果を自分の手柄に変えます。
「この数字は俺の指示があったからだ」と言い張り、称賛を独り占めします。
失敗が起きたときは「現場が悪い」「あいつが至らなかった」と責任を押し付けます。
その積み重ねが信頼を削り、気づかぬうちに組織を空洞化させるのです。
信頼を失った組織は、外から見れば立派でも、中はすでに崩れています。
一流のリーダーは真逆です。
成果を「みんなが動いたからだ」と称え、責任は自分が引き受けます。
その姿勢が「この人の言葉なら信じられる」という信頼をつくります。
リーダーの真の価値は、部下に「信じられる存在」として映るかどうかで決まります。
信頼を失ったリーダーは、肩書きを持っていても、実質的には空席と同じです。
経営者が本当に恐れるべきは、社員が突然辞めることではありません。
もっと怖いのは、社員の表情から笑顔が消え、「言われたことだけをこなす人」に変わる瞬間です。
そこから組織崩壊は始まり、立て直すには何倍もの労力を要します。
そしてその原因の多くは、リーダーが「自分の得」を優先したことにあります。
得を独占するリーダーの下で、部下が未来を描けるはずがありません。
組織を未来につなげるのは、一時の得ではなく、信頼の積み重ねです。
信頼は数字を超えて成果を生み、やがて文化として根付きます。
もう「一時の得」で信頼を削るのはやめましょう。
リーダーの真価は「今日の得」ではありません。
「未来を残せるかどうか」にあります。
世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jでした。