人に、よくしてもらう。
困ったときに、助けてもらう。
そういうとき、「この恩を返さなければ」と思います。
大事な気持ちです。
でも、恩の返し方には、二つあります。
一つは、その人に直接返す。
いわゆる恩返しです。
もう一つは、その恩を、別の誰かに送ること。
自分がしてもらったことを、今度は自分が、次の人にしてあげる。
これを、恩送りと呼びます。
面白いことに、
恩を返すだけの人より、恩を送る人のほうが、大きく伸びていきます。
恩を返すだけだと、その人との一対一で、話が完結します。
そこで、きれいに終わる。
でも、恩を送ると、その優しさが、どんどん広がっていく。
自分が助けた人が、また別の人を助ける。
その連鎖の真ん中に、自分がいます。
そうやって恩を送り続ける人のまわりには、
自然と、いい人が集まってきます。
助け合う輪が、大きくなっていく。
その大きな輪が、巡り巡って、いつか自分を大きくしてくれます。
若い頃、たくさんの人に助けられました。
その人たちに、とても返しきれない恩があります。
でも、直接返そうとすると、相手は遠慮します。
「気にしなくていい」と言われて、返せないまま終わることも多い。
だから、次の世代に送る。
あの人たちにしてもらったことを、今度は若い人にする。
それが、いちばん自然な返し方だと気づきました。
恩送りには、期限も、宛先の決まりもありません。
もらった相手と、返す相手が、違っていい。
上の世代からもらったものを、下の世代へ流す。
その流れの真ん中に立つ人のところに、
自然と、いい縁が集まってきます。
受け取って抱え込む人ではなく、
受け取って次へ渡す人が、大きくなっていきます。
見返りを当てにして送る恩は、なぜか返ってきません。
下心が、透けて見えるからです。
ただ、目の前の人に手を貸す。
損得を忘れて、先に差し出す。
その積み重ねだけが、何年も経ってから、思わぬ形で戻ってきます。
もらった恩は、無理に返しきらなくていい。
その分を、次の誰かに送ってください。
巡り巡って、それがいちばん、自分を伸ばします。
あなたが受け取った恩を、次に送るとしたら、誰にですか?
世の中の非常識は、華僑の常識。華僑Jでした。