空気がいいんですよね。うちのチーム。
これ、安心して言う人いるじゃないですか。
たしかに悪くないんです。
ギスギスしていない。
変な圧もない。
話しかけやすい。
助け合いもある。
人間関係で無駄に削られない。
そこだけ見たら、いいチームです。
ただ、ここで止まると危ないんですよね。
空気がいい。
でも数字は弱い。
会議はしてる。
でも決まった感じがしない。
誰も揉めてない。
でも、前に進む速さが遅い。
こういうチーム、あるんです。
仲が悪いわけじゃない。
むしろ逆です。
みんな感じがいい。
だから言わない。
あの提案、甘いよね。
その進め方、たぶんズレてるよね。
この目標、現場ではかなりきついよね。
薄々わかっている。
でも、言わない。
空気が悪くなるからです。
ここなんですよね。
チームって、対立で壊れることもあります。
でも実際は、遠慮で弱ることのほうが多い。
揉めない。
ぶつからない。
表面はなめらか。
でも、その静かさの中で、大事な違和感だけが死んでいく。
それ、かなり危ないです。
成果が出るチームって、仲がいいチームじゃないんですよね。
ズレを早く出せるチームです。
違和感をその場に置けるチームです。
気まずくなっても、目的に戻れるチームです。
逆に言うと、空気がいいだけのチームはもろい。
優しい。
穏やか。
でも、厳しいことを言わない。
できていないことを曖昧にする。
頑張ってるから、まあいいかで流す。
そのやさしさみたいなもので、チームは静かに鈍っていく。
営業でもあります。
雰囲気はいい。
お互いフォローもする。
数字が悪くても責め合わない。
一見すごくいいんです。
でも、その空気のよさが、
「言わない理由」になりはじめた瞬間に、弱くなります。
あの案件、詰めが甘かった。
あの提案、通る見込みは薄かった。
本当はもっと早く止めるべきだった。
でも、誰も強く言わない。
本人も頑張っていたから。
ここで言うと落ちるかもしれないから。
関係が悪くなるのも面倒だから。
この積み重ね、あとで効いてきます。
気づいた時には、チームの中に「ちゃんと見る人」がいなくなっている。
やさしいんです。
でも、弱い。
ここを勘違いすると、ずっと空気だけ整えて、中身が育たない。
経営も同じです。
社長が「うちは雰囲気がいい」と言う会社。
たしかに人間関係は悪くない。
でも、幹部が反対しない。
現場も無理を無理と言わない。
会議も荒れない。
その代わり、大事なことほど出てこない。
それ、いい組織じゃないです。
静かに鈍ってる組織です。
空気がいいことは土台にはなります。
ただ、それだけでは成果は出ない。
成果をつくるのは、見にくいものをちゃんと見る力です。
言いにくいことを、ちゃんと出す力です。
その空気を壊さずに、でも曖昧にもせずに、目的に戻せる力です。
本当に強いチームって、冷たいチームじゃないんですよね。
あたたかいです。
でも、ぬるくない。
そこが違う。
できていないことを、できていないと言える。
危ない流れを、早い段階で止められる。
「頑張ってるから」で済ませない。
でも人格は傷つけない。
ここまでいって、やっと強い。
だから上に立つ人が見るべきなのは、空気がいいかどうかじゃないんです。
その空気の中で、違和感がちゃんと出ているか。
反対意見が生きているか。
言いにくいことほど、先にテーブルに乗るか。
そこなんですよね。
空気がいい。
それ自体はいいことです。
でも、その空気は、強さですか。
それとも、言わないことで守っているだけの、静かなぬるさですか。
世の中の非常識は、華僑の常識。
華僑Jでした。