利益を出しにいく時に、会社が最初に壊しがちなものがあります。
信頼です。
外の信頼だけじゃないんですよね。
お客さんからの信頼もそう。
でもそれ以上に、現場の中にある信頼です。
ここを削った会社って、短く勝てても、長くは持たない。
利益を出したい。
当たり前です。
利益がないと、人も守れない。
投資もできない。
余白も持てない。
だから、利益を見にいくこと自体は何も悪くない。
むしろちゃんと見たほうがいい。
見ない会社のほうが危ういです。
ただ、利益を急ぐ時って、会社の本性が出るんですよね。
値上げする。
案件を絞る。
人件費を見る。
ルールを締める。
ここまではいいんです。
問題は、そのやり方です。
急に言う。
理由を言わない。
現場の負荷だけ増やす。
そのくせ、「会社のためだから」で押し切る。
こういうやり方をすると、
数字は一瞬よく見えても、中で何かが切れます。
現場って、利益を嫌ってるわけじゃないんですよ。
納得なく負担だけ増えることに冷えるんです。
今まで取っていた案件を急に断る。
値引きも急に止める。
品質は落とすな。
でも人は増やさない。
コストは削る。
そのうえで「利益体質に変わるから」と言われる。
言っていることはわかる。
でも、持ち方が雑だと、一気に信頼を失います。
ああ、この会社って、苦しくなると人にしわ寄せを寄せるんだなって。
この感覚、いったん入ると深いです。
営業でもあります。
利益率を上げたい。
それで単価を見直す。
そこまではいい。
ただ、現場に渡る言葉が
「今月からもっと粗利を見て」だけだと、何も変わらない。
お客さんへの説明も、断る基準も、
どこなら譲れてどこから譲れないのかも曖昧。
これで数字だけ上げろと言われると、現場は苦しい。
苦しいままやるから、接客も雑になる。
空気も悪くなる。
最後はお客さんとの信頼まで削れていく。
管理側もそうです。
利益を出したいから経費を絞る。
それも必要な時はあります。
ただ、その時に一番まずいのは、
必要な投資まで全部“無駄”みたいに扱うことです。
教育。
採用。
余白。
整えるための時間。
そこまで切り始めると、会社は細る。
筋肉をつけるつもりで、血まで抜いてしまう感じです。
利益を出したい会社が先に失ってはいけないのは、
働いている人の「この会社は筋を通す」という感覚なんですよね。
苦しい時ほど、そこが見られます。
説明するのか。
逃げるのか。
一部の人だけに押しつけるのか。
上も痛みを持つのか。
言っていることと、やっていることが揃っているのか。
そこをみんな見ています。
きれいごとじゃないです。
こういう時の記憶って、かなり残る。
会社って、不景気だから壊れるんじゃないんですよね。
利益を取りにいく過程で、信頼の切り方を間違えて壊れることが多い。
現場は冷える。
お客さんにも温度が出る。
優秀な人から先に、静かに気持ちが離れる。
これがいちばん痛いです。
じゃあ、利益を出すことと信頼を守ることは両立しないのか。
そんなことはないです。
むしろ、本当に強い会社はそこを分けません。
利益を出す理由をちゃんと持っている。
誰を守るためか。
何を残すためか。
どこにはお金を使い、どこは削るのか。
その線が見えている。
だから現場もまだ踏ん張れる。
値上げするなら、なぜ必要なのかを言う。
断る案件があるなら、何を守るためなのかを言う。
コストを絞るなら、上も同じ痛みを持つ。
この筋がある会社は強いです。
厳しいことをやっても、全部は失わない。
信頼が残るからです。
逆に弱い会社は、利益を出したい時ほど言葉が軽くなる。
「いま厳しいから」
「会社のためだから」
「全員で乗り越えよう」
それっぽいです。
でも中身が薄い。
何を守るかも、誰がどこまで持つかも曖昧。
この状態で現場に無理だけ渡すと、利益の前に土台が崩れます。
利益は大事です。
きれいごとでは経営できない。
そこは事実。
ただ、利益を出したい会社が、
最初に信頼を壊しはじめたら、その利益は長く続かない。
現場が信じられない会社は、最後まで踏ん張れないからです。
あなたの職場は、利益を取りにいく時、何を守っていますか。
数字を作る前に、いちばん大事な信頼まで削ってしまっていませんか。
世の中の非常識は、華僑の常識。
華僑Jでした。